- 藤井防災タイムズ
工場や事業所では、毎日さまざまな設備が使用されています。消火器や自動火災報知設備、誘導灯などの消防設備をはじめ、製造工程や暖房、ボイラーなどで使用する燃料を保管する地下タンク、配管などもその一つです。
普段問題なく使用できている設備でも、年月の経過とともに劣化します。いざ火災が発生したときに消防設備が作動しなかったり、気づかないうちに地下タンクや配管から油が漏れていたりすれば、人命だけでなく事業そのものにも大きな影響を及ぼします。
そのため、法律では一定の建物や設備について、定期的な点検が定められています。
しかし、工場や事業所の担当者からすると、「何をいつ点検すればいいのか分からない」「消防設備と危険物設備では点検のルールが違うのか」「点検していればそれだけで十分なのか」といった疑問もあるのではないでしょうか。
この記事では、工場・事業所で特に関係の深い消防設備と危険物設備を中心に、法定点検の基本と日頃の設備管理について解説します。
法定点検とは、法律によって実施が定められている点検です。
工場や事業所には、消防設備、危険物施設、電気設備、ボイラー、建築設備など、さまざまな設備があります。そのため、「工場なら毎年この点検をすればよい」という一つのルールがあるわけではありません。
建物の用途や規模、設置されている設備、取り扱う危険物の種類や数量などによって、必要となる点検は異なります。
特に火災や危険物事故は、人命だけでなく、工場の操業停止、設備損傷、周辺環境への影響などにつながる可能性があります。
法定点検は、単に法律を守るための手続きではなく、事故を未然に防ぎ、事業を継続するための重要な安全管理の一つと考えることが大切です。
工場や事業所には、建物の用途や規模などに応じてさまざまな消防設備が設置されています。
例えば、消火器、自動火災報知設備、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、誘導灯、避難器具、非常警報設備などです。
こうした消防用設備等は、設置して終わりではありません。
火災はいつ発生するか分からないため、必要なときに確実に作動する状態を維持しておく必要があります。
消防用設備等の点検には、大きく「機器点検」と「総合点検」があります。
機器点検は6か月に1回、総合点検は1年に1回が基本です。
機器点検では、消防設備の外観や機能などを確認します。一方、総合点検では、設備を実際に作動させるなどして、設備全体が正常に機能するかを確認します。
例えば自動火災報知設備であれば、感知器や受信機などが正常に動作するか、消火設備であれば必要な機能が確保されているかなどを確認します。
普段ほとんど使用しない設備だからこそ、定期的な確認が重要になります。
ここで混同しやすいのが、点検する時期と消防署などへ結果を報告する時期です。
消防設備自体の点検は定期的に行いますが、消防署等への点検結果報告の周期は建物の用途によって異なります。
不特定多数の人が利用する一定の防火対象物などでは1年に1回、それ以外の対象では3年に1回となるものがあります。
自社の建物がどの区分に該当するか分からない場合は、消防設備の専門業者などへ確認することをおすすめします。
工場や事業所では、ガソリン、軽油、灯油、重油、溶剤など、消防法上の危険物を取り扱う場合があります。
一定の危険物施設については、消防法に基づいた定期点検が必要です。
対象となる製造所、貯蔵所、取扱所では、位置・構造・設備が技術上の基準に適合した状態に維持されているかを確認します。
対象となる危険物施設の定期点検は、原則として1年に1回以上行い、点検記録を作成・保存することが求められています。
ただし、すべての危険物施設が一律に同じ条件となるわけではありません。施設の種類や危険物の貯蔵・取扱数量などによって対象が異なります。
特に注意したいのが地下タンクや地下配管です。
地上にある設備なら、さびや変形、油のにじみなどを目で確認できる場合があります。
しかし、地下に埋設されたタンクや配管は外から状態が分かりにくいため、内部で腐食や劣化が進んでいても気づかない可能性があります。
そのため、設備の種類や構造などに応じて、漏えいの有無を確認する点検も重要です。
地下タンクについては、設置条件、構造、経過年数、漏えい防止措置などによって点検方法や周期が異なるため、自社設備の状況に応じた確認が必要です。
法定点検を定期的に実施していても、日常の設備管理に問題があれば、安全性を十分に確保できません。
例えば、消火器の前に段ボールや資材が置かれていないでしょうか。
誘導灯が商品棚や設備で見えなくなっていたり、避難経路に物が置かれていたりするケースもあります。
工場では、生産設備の増設やライン変更、間仕切りの追加などによって、建物内部の使い方が変わることもあります。
以前は適切だった消防設備の配置が、レイアウト変更によって適切ではなくなっている可能性も考えられます。
危険物設備についても同じです。
「今まで問題がなかった」という理由だけで、古い地下タンクや配管をそのまま使い続けるのではなく、腐食や経年劣化を考慮したメンテナンスが必要です。
また、点検記録も重要です。
いつ、どの設備を、誰が点検し、どのような異常があったのかを継続的に記録することで、設備の変化を把握しやすくなります。
法定点検は非常に重要ですが、「法定点検をしているから安全」と考えるのは十分ではありません。
例えば半年に一度消防設備を点検していても、その間に設備が破損することはあります。
地下タンクや配管も、点検した直後から次の点検まで状態が全く変化しないわけではありません。
油の減り方がいつもと違う、油の臭いがする、配管周辺ににじみがある、バルブの動きが悪い、設備にさびや変形が見られる――。
こうした日常の小さな変化に気づくことが、大きな事故を防ぐ第一歩です。
さらに、法定点検で不具合が見つかった場合は、点検結果を受け取って終わりにするのではなく、必要な修理や改修につなげることが重要です。
「点検」「記録」「改修」「日常管理」までを一つの流れとして考えることで、設備の安全性を維持しやすくなります。
福井県内には、製造業をはじめ、さまざまな工場や事業所があります。また、冬季の暖房やボイラーなどで灯油や重油を使用する施設も少なくありません。
危険物設備の管理で特に注意したいのが油の流出です。
地下タンクや配管などから漏れた油が敷地内の側溝に入り、その先の水路や河川へ流れ込めば、事業所の敷地内だけの問題ではなくなります。
油の回収や河川への流出防止など、広範囲な対応が必要になることもあります。
また福井県では、夏から秋には台風や集中豪雨、冬には積雪や凍結など、季節によって設備を取り巻く環境も大きく変わります。
屋外設備や配管などは、雨や雪、気温の変化などの影響を長期間受け続けます。
だからこそ、法令で決められた時期だけ設備を見るのではなく、福井の気候や施設の使用状況に合わせて、日頃から状態を確認することが大切です。
藤井防災エネルギーでは、建物の消防設備法定点検をはじめ、消防設備のメンテナンス、新設・改修工事、防災用品・防災資機材の販売などを行っています。
企業、学校、病院、工場など、さまざまな施設の消防設備に対応しています。
また危険物設備についても、ガソリンスタンド、ショッピングセンター、ホテル、公共施設、学校、工場などに設置されている地下タンクの法定点検や漏えい検査、計量機・メーター・配管の改修工事を行っています。
さらに、石油製品を運搬するタンクローリーの法定点検や気密検査にも対応しています。
藤井防災エネルギーの特徴は、「点検するだけ」で終わらないことです。
消防設備で不具合が見つかればメンテナンスや改修工事へ、危険物設備で問題が見つかれば配管や計量機などの改修へと、設備を安全な状態に戻すところまで相談できます。
消防・防災設備サービスおよび危険物設備メンテナンスについて品質マネジメントの国際規格ISO9001を取得しているほか、消防設備士、消防設備点検資格者、地下タンク・移動貯蔵タンクの点検に関する資格・講習修了者などの専門スタッフが対応しています。
「自社ではどの法定点検が必要なのか分からない」「消防設備と危険物設備をまとめて相談したい」「点検で指摘された設備を改修したい」といった場合も、まず現在の設備状況を整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。
工場や事業所には、多くの設備があり、それぞれに安全を維持するための点検や管理が必要です。
なかでも、火災時に人命を守る消防設備と、ガソリン・灯油・重油などを取り扱う危険物設備は、事故が発生した場合の影響が大きいため、適切な法定点検が欠かせません。
消防設備は、機器点検を6か月に1回、総合点検を1年に1回行うことが基本です。危険物施設についても、対象となる施設では原則として1年に1回以上の定期点検が求められています。
ただし、本当に大切なのは「期限どおり点検したか」だけではありません。
点検で見つかった不具合を改善し、設備の経年劣化を把握し、日常的にも異常がないか確認する。
その積み重ねが火災や油漏れなどの事故を未然に防ぎ、従業員や地域、そして企業そのものを守ることにつながります。
法定点検を単なる義務としてではなく、工場・事業所を安全に運営し続けるための機会として活用してみてはいかがでしょうか。