近年、日本列島はこれまでにない猛暑に見舞われています。特に2025年夏は、40℃近い日が続き、熱中症搬送者数も過去最多クラスに。気象庁も「災害級の暑さ」と警鐘を鳴らしています。
こうした異常気象の中、見落とされがちなのが 車内の暑さリスク です。
エアコンが効いている間は快適でも、エンジンを切った瞬間から車内は灼熱地獄に。わずか10分で50℃を超え、30分で60℃以上にも達するケースもあるのです。
本コラムでは、「夏の車内事故」への注意喚起と、暑さそのものを“防災”と捉えた新しい備え方を解説。家族を守る、地域を守る、企業を守るために、藤井防災エネルギーが提案する“暑さ対策=防災”の新常識をお伝えします。
Contents
夏になると毎年のように報道されるのが、子どもやペットの車内置き去りによる事故です。
「少しの時間だから大丈夫」と思って車を離れてしまう…。その判断が、取り返しのつかない悲劇を招くことがあります。
とくに真夏の炎天下では、短時間で車内温度が急上昇し、命に関わる事態に発展します。
JAF(日本自動車連盟)が実施した実験によると、外気温35℃の環境下で車のエアコンを切った直後から、車内温度は一気に上昇を始め、10分以内に45℃以上、30分もすれば60℃を超えることもあるという結果が出ています。
ダッシュボードやチャイルドシート、シートベルトの金属部分は触れないほどの高温になり、皮膚にやけどを負うケースも珍しくありません。
特に乳幼児や小さな子どもは体温調節機能が未熟であり、大人と同じ環境にいても2倍以上のスピードで体温が上がるといわれています。
体温が40℃を超えると臓器に負担がかかり、熱中症の重症化や意識障害、最悪の場合は死に至ることも。
実際、過去には「数分間の買い物のつもりで放置した結果、車内で意識を失った子どもが救急搬送された」という事例もありました。
犬や猫などのペットも同様です。
犬は体温調整を舌で行うため、閉め切った車内では呼吸が浅くなり、熱が体内にこもってしまいます。特に短頭種(パグやフレンチブルドッグなど)は呼吸機能に弱点があり、わずか10分程度の放置でも命に関わるリスクがあります。
「窓を少し開けていたから大丈夫」「日陰だから安心」といった油断は、決してしてはいけません。
厚生労働省やNITE(製品評価技術基盤機構)の発表によると、子どもやペットの車内放置は「特別なこと」ではなく、どの家庭・どの保護者にも起こりうる身近な事故です。
一瞬の気の緩みや、“ちょっとだけ”のつもりが、大きな事故につながる可能性があるのです。
このように、夏の車内は誰にとっても身近な危険地帯です。
今年の異常気象を前に、ぜひご家庭でも「うちは大丈夫」と思わず、“最悪のケースを想定して備える”ことが重要です。
災害時に備えて車に常備している人も多い防災グッズ。しかし、高温に弱いアイテムも少なくありません。
下記を参考いただき車に常備している防災グッズを見直してみて下さい。
車に防災用品を積む場合は、高温に強い仕様のものを選ぶことが大切です。どういうアイテムを選べばいいのかわからないという方は藤井防災エネルギーにご相談下さい。
猛暑によって引き起こされるのは、人の体への影響だけではありません。実は、車そのものも暑さに弱く、特にタイヤは深刻なリスクを抱えています。
炎天下のアスファルトは、表面温度が60〜70℃を超えることも珍しくありません。
そんな中で長時間走行したり、高速道路での使用を続けたりすると、タイヤ内の空気が膨張し、想定以上の圧力がかかることで、パンクやバースト(破裂)を引き起こすリスクが高まります。
JAFによると、夏場の高速道路でのタイヤトラブルの出動件数は、他の季節の約1.5倍に増加しているとのこと。特に家族旅行や帰省などで長距離運転をするシーズンには、必ず事前点検が必要です。
タイヤのバーストは、単に「止まればいい」というレベルの問題ではありません。
高速走行中にバーストすると、ハンドルが取られ、制御不能になり、他車を巻き込む重大事故につながる危険性もあります。実際に、高速道路上での多重事故の原因が「タイヤの破裂によるコントロール喪失」だったというケースも報告されています。
藤井防災エネルギーでは、「タイヤ空気圧チェック」「バッテリー・冷却水点検」などの安全点検もしています。
ガソリンスタンド併設の整備拠点で、お出かけ前の車の状態をしっかり確認してから出発できます。
これまで防災と言えば、地震や台風が中心でした。しかし今は、「気温上昇=命を脅かす災害」と捉える必要があります。
これは「日常」の問題であると同時に、れっきとした“防災”問題です。
だからこそ、猛暑対策=防災対策として、備え方もアップデートが必要なのです。
藤井防災エネルギーが推奨する、家庭向けの「暑さ対策=防災」の実践例をご紹介します。
また、車内にも置ける耐熱仕様の応急グッズや冷却アイテムの導入もおすすめです。
企業や施設では、停電・猛暑・人命リスクを想定したBCP(事業継続計画)が求められます。
✅ 非常用発電機/蓄電システムの導入サポート
✅ 空調機器の定期点検・性能診断
✅ 熱中症対策としての遮熱施工やクーリングシステム
✅ 従業員向け熱中症予防セミナーの実施
藤井防災エネルギーでは、災害時に地域を支える「防災型SS(サービスステーション)」を展開中です。
このような拠点が地域の「最後のライフライン」になることを目指しています。
「暑さ=防災」と捉える視点は、今や一部の専門家だけのものではなく、すべての人が持つべき“新しい常識”です。
特に今年のように異常な暑さが続く中では、「熱中症になるかもしれない」ではなく、「命を落とす可能性がある災害リスク」として暑さに向き合う必要があります。
たとえば、突然の停電でエアコンが止まったとき。
子どもを乗せた車を離れたわずかな時間。
高齢の親が暮らす家で冷房が故障していたとき。
こうした「想定していなかった状況」が、今の日本の夏ではいつでも“災害”に変わりうるのです。
「備え」は特別なことではない
防災というと、つい“特別な日”や“非常時”のための準備と捉えてしまいがちです。
ですが、本当に大切なのは、日常の中で自然に防災意識を取り入れていくこと。
毎日の生活の中に、熱中症対策を取り入れること
移動時や車内でも、安全確認の習慣をつけること
家族や職場で「もしも」の対話をしておくこと
設備や防災グッズの点検を「当たり前」にすること
これらはすべて、“防災”であると同時に、家族や従業員、そして自分自身の命を守る行動なのです。
是非この機会に、“防災”についてご自身やご家族で考える時間をとってみてください。
何気ない一つの行動が、未来の安全と安心につながるはずです。
もし備え方に迷ったときは、いつでも私たち藤井防災エネルギーにご相談ください。
「暮らしと命を守るパートナー」として、地域とともに歩み続けます。
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